2000年代初頭にアメリカで製織されたと推測されるデッドストックファブリックです。 兵庫県三ノ宮の縫製工場にて長年保管されていたものをまとめて引き継ぎました。
生地の耳の印字から、アメリカの歴史あるファブリックメーカー、WAVERLY社のデッドストックであることが確認できます。
耳端に並ぶ13個のレジストレーションマークが示す通り、13色もの版を重ね合わせた多色刷りのスクリーンプリントによって、大ぶりな植物柄が表現されています。現代ではコストと手間の観点から減少傾向にある、非常に贅沢で工程数の多い染色技術です。
組織は細番手のコットン糸を密に打ち込んだ、ブロード地に近しい平織りです。均一に整えられた糸による滑らかな表面が、多色プリントの鮮やかな発色を最大限に引き出しています。また、幾重にも色を重ねていながら染料の厚塗り感や硬さはなく、繊維の奥までしっかりと色が定着しているため、ブロード生地特有のしなやかな風合いを損なっていません。
元来はインテリア用途として設計された柄行きと推測されますが、ブロードのような軽やかさと適度なハリ、さらりとした手触りを持つため、被服用途への転用にも最適です。ギャザーをたっぷりと寄せたブラウスや、分量感のあるワンピースなどに仕立てることで、美しいドレープとともに柄の立体感を引き出すことができるでしょう。
「CRAFTED WITH PRIDE IN THE U.S.A.」の印字が示す通り、アメリカ国内でのテキスタイル製造が活発だった時代の、妥協のない技術の豊かさを現代に伝える一枚です。